「心と体を整える食事と栄養|ストレスに強くなるためのマグネシウム・鉄・たんぱく質の摂り方

仕事や人間関係のストレスで、心も体も疲れていませんか?
実は、心の不調には栄養バランスの乱れが深く関わっています。
マグネシウム・鉄・たんぱく質などの栄養素は、心を落ち着かせ、エネルギーを生み出すために欠かせないもの。
毎日の食事を少し整えるだけでも、心の回復を支えることができます。
ストレスと栄養の関係

心の不調は、体の中のバランスの乱れから
強いストレスを感じると、体の中では「闘う」ための反応が起こります。
交感神経が活発になり、アドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが分泌され、体を緊張状態に保とうとするのです。
このとき、マグネシウム・鉄・たんぱく質などの栄養素が大量に使われます。
マグネシウムは神経を落ち着かせるために、鉄は酸素を運ぶために、たんぱく質はホルモンや神経伝達物質を作るために――。
ストレスを受けるたびに、体はこれらの栄養を消耗しているのです。
その状態が続くと、栄養バランスが崩れ、気持ちが落ち込みやすくなったり、眠れなくなったり、体のだるさが抜けなくなったりします。
つまり、心の疲れは「栄養の不足」というサインでもあります。
「気持ちを強く持つ」だけでは、ストレスに打ち勝つことはできません。
心を整えるためには、まず体を整えること――それが、心の回復の第一歩になります。
マグネシウム ― 神経を整える“癒しミネラル”

マグネシウムは、心と体のバランスを保つために欠かせないミネラルです。
神経の興奮を抑え、筋肉をゆるめ、心を落ち着かせる働きがあります。
ストレスを感じると、体内ではコルチゾールなどのストレスホルモンが増え、それに対応するために多くのマグネシウムが使われます。
そのため、ストレスが続くほどマグネシウムが消耗し、イライラ・不安・不眠などの症状が出やすくなるのです。
マグネシウムが不足すると、
-
夜眠れない
-
些細なことで緊張したり怒りっぽくなる
-
頭痛や肩こりが続く
といったサインが現れることがあります。
マグネシウムを多く含む食品
日常の食事からでも、マグネシウムはしっかり補えます。
-
アーモンド・くるみなどのナッツ類
-
ほうれん草・小松菜などの葉野菜
-
わかめ・ひじき・昆布などの海藻類
-
納豆・豆腐などの大豆製品
-
玄米や雑穀米
-
バナナ
これらをバランスよく取り入れることで、ストレスに強い体づくりができます。
取り入れ方のポイント
マグネシウムは“毎日少しずつ”摂るのが理想です。
ナッツをおやつにしたり、夕食に海藻入りのお味噌汁を加えたり、朝にバナナと豆乳のスムージーを飲むのもおすすめです。
特に忙しいときこそ、「食べることを後回しにしない」ことが大切。
体に必要な栄養をしっかり満たすことで、心も自然と落ち着いていきます。
鉄 ― 心に酸素を届ける“エネルギーの源”

鉄は、全身の細胞に酸素を運ぶために欠かせない栄養素です。
体だけでなく、脳にも酸素を届ける大切な役割を担っています。
鉄が不足すると、脳の働きが鈍くなり、集中力や気力が低下します。
その結果、「やる気が出ない」「気分が落ち込みやすい」「頭がぼんやりする」といった心の不調を感じやすくなります。
特に女性は、月経によって鉄を失いやすく、慢性的な鉄不足に陥りやすい傾向があります。
鉄不足が引き起こすサイン
-
朝起きても疲れが取れない
-
階段を上がると動悸や息切れがする
-
顔色が悪い、冷えやすい
-
集中力が続かない、気分が落ち込みやすい
これらのサインがあるときは、鉄が不足している可能性があります。
体が酸素不足になると、脳も十分に働けず、気持ちの落ち込みや不安が強くなるのです。
鉄を多く含む食品
鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。
体に吸収されやすいのはヘム鉄ですが、植物性食品の非ヘム鉄もビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まります。
ヘム鉄(吸収率が高い)
-
牛肉、豚レバー、あさり、まぐろ、かつお
非ヘム鉄(植物性)
-
ひじき、ほうれん草、小松菜、大豆製品
吸収を高める組み合わせ
-
牛肉の炒め物+ブロッコリー(ビタミンC)
-
ひじきご飯+みかん
-
豚レバー+キャベツの千切り
鉄は、たんぱく質と一緒に摂ると赤血球の生成を助けるため、
「お肉+野菜」「豆腐+野菜スープ」のように組み合わせて食べると効果的です。
鉄は「心の元気」を支える栄養素
鉄は、脳内の神経伝達にも関係しています。
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンや、やる気を引き出すドーパミンの働きを支える役割があり、
心の安定や前向きな気持ちにも欠かせません。
「疲れやすい」「笑えない」「気分が沈む」――そんなときは、心だけでなく、体にも酸素が足りていないのかもしれません。
食事でしっかり鉄を補うことが、心のエネルギーを取り戻す第一歩になります。
たんぱく質 ― 脳と感情を支える“心の材料”

たんぱく質は、筋肉や皮膚をつくるだけでなく、心の働きを支える大切な栄養素です。
脳の中で「セロトニン」や「ドーパミン」などの神経伝達物質を作る材料になり、気分の安定ややる気に大きく関わっています。
そのため、たんぱく質が不足すると、
-
気分が落ち込みやすくなる
-
何もする気が起きない
-
集中力が続かない
-
イライラや不安を感じやすい
といった症状が現れることがあります。
つまり、「心が疲れている」と感じるときには、体もエネルギー不足になっているということ。
しっかりたんぱく質を補うことで、心の土台を整えることができます。
たんぱく質を多く含む食品
-
鶏むね肉、豚肉、魚(鮭・さば・まぐろなど)
-
卵
-
納豆、豆腐、豆乳などの大豆製品
-
ヨーグルト、チーズなどの乳製品
動物性と植物性のたんぱく質をバランスよく組み合わせることが大切です。
動物性たんぱく質は吸収率が高く、植物性たんぱく質は脂質が少なくヘルシー。どちらも上手に取り入れましょう。
取り入れ方のコツ
たんぱく質は一度にたくさん摂っても吸収しきれないため、1日3食で分けて摂ることがポイントです。
朝:卵+豆腐のみそ汁
昼:魚定食やチキンサラダ
夜:豆腐ハンバーグや豚しゃぶ+野菜スープ
忙しい日でも、コンビニのゆで卵やサラダチキン、豆乳飲料などをうまく活用すると続けやすくなります。
心をつくる「トリプトファン」との関係
たんぱく質の中でも特に大切なのが、「トリプトファン」というアミノ酸です。
トリプトファンは、脳の中で“幸せホルモン”セロトニンの材料になります。
納豆・豆腐・卵・バナナなどに多く含まれており、マグネシウムやビタミンB6と一緒に摂ると効果的です。
例)
-
朝食に「納豆ご飯+バナナ」
-
夜に「豆腐とほうれん草の味噌汁」
これだけでも、ストレスに強い脳をつくるサポートになります。
ビタミンB群と腸内環境 ― 栄養吸収を助ける縁の下の力持ち

マグネシウムや鉄、たんぱく質をしっかり摂っていても、体がうまく吸収できなければその効果は十分に発揮されません。
そのサポートをしてくれるのが、ビタミンB群と腸内環境です。
どちらも、見えないところで心と体を支える“縁の下の力持ち”のような存在です。
ビタミンB群は「心のエネルギー代謝」を助ける
ビタミンB群は、糖や脂質、たんぱく質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。
特にストレスが続くと体内で多く消費されるため、意識して補うことが大切です。
不足すると、疲れやすい・集中できない・気持ちが落ち込みやすいといった不調が起こりやすくなります。
つまり、ビタミンB群は「心が元気に働くためのエネルギー源」をつくるサポーターなのです。
ビタミンB群を多く含む食品
-
豚肉、レバー、卵
-
納豆、玄米、まぐろ
-
バナナ、アボカド
特にマグネシウムと一緒に摂ると代謝がスムーズになるので、
「豚しゃぶ+ほうれん草+玄米ごはん」のような食事がおすすめです。
腸内環境が心の安定を左右する
腸は“第二の脳”と呼ばれるほど、心の健康と深く関係しています。
腸内細菌は「セロトニン(幸せホルモン)」の生成を助けるため、腸内環境が乱れると気分の落ち込みや不安を感じやすくなります。
腸内環境を整える食品
-
ヨーグルト、納豆、味噌などの発酵食品
-
バナナ、ごぼう、海藻類などの食物繊維
-
水分をこまめに摂る(1日1.5〜2ℓを目安に)
ヨーグルトや納豆などの発酵食品が合わない人は、腸内ガスやお腹の張りを感じることがあります。
また、ごぼうや豆類など食物繊維が多い食品も、人によっては消化に時間がかかり、胃もたれや腹痛の原因になることもあります。
だから、「体に良い」と言われるものでも、無理に摂る必要はありません。
「自分の体がどう感じるか」をいちばん大切にしてください。
お腹の調子が乱れやすいタイプの方は、
-
温かいスープやおかゆで消化を助ける
-
食物繊維は少しずつ増やす
-
ヨーグルトの代わりに味噌汁など体に優しい発酵食品を少量から
といった工夫をしながら、体に合うペースで整えていきましょう。
腸を元気にすることは、心を穏やかにすることにもつながります。
毎日少しずつ取り入れることで、体の中から“心を育てる”サポートができます。
心と体を整えるためのポイントまとめ

無理をせず、「整える」を続けることが大切
心と体は、いつも一緒に働いています。
どちらかが疲れてしまうと、もう一方もバランスを崩してしまうもの。
ストレスや不安を感じるときこそ、栄養を満たし、休息を取ることが回復への第一歩です。
これまで紹介してきたマグネシウム・鉄・たんぱく質・ビタミンB群は、どれも心を支える大切な栄養素。
特別な食事をする必要はありません。
少しずつ、できる範囲で取り入れるだけで、体は少しずつ変わっていきます。
心と体を整える3つの習慣
-
しっかり食べることを忘れない
食事は心をつくる基本。小さな一口でも、あなたの体を支える力になります。 -
「休む」ことをためらわない
休養は甘えではなく、治療の一部。眠ることも立派なセルフケアです。 -
「話す」「相談する」を大切に
自分の気持ちを言葉にすることで、心は少し軽くなります。
信頼できる人や専門家に頼る勇気を持ちましょう。
焦らず、自分のペースで「整える」ことを続けていくことが大切です。
そして、頑張ってもつらいときや、食事や休息だけでは回復しないと感じるときは、専門家に相談してみてください。
心身の不調で悩んでいる方へ

無理をせず、今の自分を大切にしてください
どんなに頑張り屋さんでも、ストレスや疲れが重なると心と体は限界を迎えます。
「気の持ちよう」ではなく、心の不調も体の不調と同じように“治療が必要なサイン”です。
食事を整えても眠れない、気持ちの落ち込みが続く、涙が出てしまう――。
そんなときは、無理をせず、専門家に相談してみてください。
早めに相談することで、回復までの時間を短くできることも多いです。
メンタルケア Lino clinic(リノクリニック)福岡天神院の紹介

メンタルケア Lino clinic(リノクリニック)福岡天神院では、ストレスや不安、適応障害、うつ病など、心身の不調に幅広く対応しています。
一人ひとりの症状に合わせた治療を行い、休職や復職に必要な診断書も最短即日で発行できます。
当院は 土日祝も20時まで診療 しており、赤坂駅・天神駅から徒歩圏内 とアクセスも便利です。
仕事帰りや休日でも通いやすい環境で、安心してご相談いただけます。
心と体のバランスを整えたい方、日々のストレスに疲れてしまった方。
どうか一人で抱え込まずに、私たちにお話しください。
あなたの心が少しでも軽くなるよう、Lino clinicがお手伝いします。





