やる気が出ない原因とは?すぐに実践できる対処法も解説
朝起きるのがつらい、何をするにも気が乗らない、頑張りたい気持ちはあるのに体が動かない――そんな「やる気が出ない状態」に悩んでいませんか?
一時的な疲れや気分の波であれば、休息をとることで回復することもあります。けれど、状態が長く続いたり、日常生活に支障をきたしている場合は、心や体が限界を迎えているサインかもしれません。
この記事では、やる気が出ないときにあらわれやすい症状や原因、すぐに試せる対処法について、わかりやすく解説していきます。
「怠けているのかな」と自分を責める前に、まずはご自身の心と体の声に、少し耳を傾けてみませんか?
やる気が出ないときの症状
「なんだか何もしたくない」「朝起きても気分が重い」そんなふうに感じることはありませんか?
やる気が出ないときには、心や体にさまざまなサインがあらわれます。たとえば以下のようなものが見られることがあります。
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朝なかなか起きられない
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仕事や家事、趣味に関心がもてない
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食欲がわかない、または食べ過ぎてしまう
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イライラしやすくなる
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集中できない
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体が重い・だるい
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人と関わるのが億劫になる
一時的な不調であれば、十分に休むことで自然と回復することもありますが、長く続くようであれば、心や体のケアが必要なサインかもしれません。
やる気が出ない原因とは?
やる気の低下には、いくつかの背景や要因が関係しています。ここでは主な原因をご紹介します。
環境や人間関係、スマートフォンやSNSからくるストレス
職場や家庭などの人間関係に疲れていたり、SNSでの情報のやりとりに振り回されていたりすると、心は少しずつ消耗していきます。気づかないうちにストレスが積み重なり、やる気の低下につながることがあります。
また、他人と自分を比べすぎたり、常に誰かとつながっていなければというプレッシャーも、心の余白を奪ってしまいます。
疲れがたまっている
疲れがたまると、脳や体のエネルギーが不足し、
「動きたくない」「何もしたくない」と感じやすくなります。
たとえば
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仕事のあとに家事や育児で休めない
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休日も予定がぎっしり詰まっている
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夜ぐっすり眠れず、朝も無理して起きている
こうした生活が続くと、心も体も知らないうちに疲れきってしまいます。
運動不足
運動は、心にも体にもよい影響を与えるといわれています。
軽いウォーキングやストレッチでも、脳の血流がよくなり、気分が少し軽くなることがあります。
たとえば…
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デスクワークが多くて一日中座りっぱなし
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仕事が忙しくて外に出る時間がとれない
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気分が落ちていて、体を動かす気になれない
そんな日々が続くと、体力だけでなく気力まで落ちてしまうことがあります。
「動かないから疲れないはず」と思っていても、実は逆に疲れやすくなってしまうのです。
栄養の偏りや不足、食べ方の問題
私たちの心と体は、毎日の食事でつくられています。
でも、こんな食生活になっていませんか?
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朝は何も食べないまま仕事や学校へ
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手軽に済ませるために、パンやおにぎりだけで食事を終える
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忙しくてインスタント食品やジャンクフードが中心になっている
こうした食生活が続くと、栄養が偏り、脳や体の働きに影響が出てきます。
特に、マグネシウムやビタミンB群が不足すると、
神経の働きや代謝が乱れやすくなり、気分が落ち込んだり、やる気が出なくなったりすることもあります。
何かの病気の可能性
やる気の低下が長く続いているとき、
「気の持ちよう」では片づけられない原因があることもあります。
たとえば
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毎日気分が沈んで、好きなことにも興味がもてない(うつ病の可能性)
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環境の変化で強いストレスを感じている(適応障害の可能性)
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体がだるくて動けない、けれど検査をしてもはっきりした原因が見つからない(自律神経やホルモンの乱れ)
他にも、甲状腺の異常やホルモンバランスの変化が、
やる気の低下や気分の不安定さにつながることもあります。
「何をしても気持ちが戻らない」と感じたら、早めに医療機関で相談してみましょう。
季節の影響
季節の変化が、気づかないうちに心に影響を与えていることがあります。
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冬になると気分が落ち込みやすくなる
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朝がつらくて布団から出られない
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外に出るのが億劫になり、引きこもりがちになる
これは「冬季うつ(季節性うつ病)」と呼ばれる症状の一つで、
寒さや日照時間の減少によって、脳内の「セロトニン」という物質が減り、
気分が不安定になりやすくなるといわれています。
冬に限らず、季節の変わり目に不調が出る方も少なくありません。
やる気が出ないときの対処法
やる気が出ないとき、「こんな自分じゃダメだ」と責めてしまう方も少なくありません。でも、無理に変えようとするよりも、できることから少しずつ取り入れてみることが大切です。ここでは、今すぐ試せる対処法をご紹介します。
Todoリストを作成してとりあえず始めてみる
「何をしたらいいかわからない」「何から始めればいいのか決まらない」――そんなふうに感じるとき、実は頭の中が整理されていないだけかもしれません。考えがまとまらないと、心も体も動きにくくなります。そんなときは、やることを小さく紙に書き出してみましょう。「洗濯物をたたむ」「水を飲む」「5分だけ外に出てみる」など、どんなに小さなことでも大丈夫です。無理のない範囲で書き出して、一つ終えるたびに線を引いて消していくと、自然と達成感が得られます。
「できた」という感覚は、たとえ小さなことでも脳にポジティブな刺激を与え、少しずつやる気の回復につながります。考えすぎず、まずは一歩だけでも動いてみることが大切です。
身の回りの環境を整える
部屋が散らかっていると、それだけで気分が重くなり、やる気も出にくくなります。気づかないうちに、目に入る情報が多すぎて、脳が疲れてしまっているのです。
そんなときは、全部を片づけようとしなくても大丈夫。まずは机の上だけ、床の一部だけなど、小さな範囲から整えてみましょう。
また、朝になったらカーテンを開けて自然の光を取り入れるだけでも、気分が少しずつ明るくなっていくことがあります。
さらに、香りのよいアロマを焚いたり、お気に入りの音楽を静かに流してみるのもおすすめです。環境をほんの少し整えることが、心のリズムを整えるきっかけになることがあります。
睡眠の質を改善してみる
やる気の回復には、しっかり眠ることが何より大切です。睡眠中に心と体は回復し、エネルギーを蓄えることができます。
最近、寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝スッキリ起きられないといったことが続いていませんか?それは、睡眠の質が下がっているサインかもしれません。
夜はスマートフォンの使用を控えたり、湯船にゆっくりつかる、部屋の照明を少し暗くするなど、リラックスできる環境を整えてみましょう。
また、眠れない・起きられないという状態が長く続く場合は、心や体のバランスが崩れている可能性もあります。がまんせず、心療内科などの専門家に相談してみることも、回復への大切な一歩です。
食事内容や栄養バランスを見直す
気分や意欲には、食事も大きく関係しています。食事を抜いていたり、偏った食事ばかりになっていませんか?
とくに、マグネシウムを含む食材(豆腐、玄米、アーモンド、わかめなど)は、ストレスによるイライラや不安をやわらげる働きがあるといわれています。
コンビニでも手に入りやすい納豆やバナナなど、できる範囲で取り入れてみましょう。
適度な運動をしてみる
軽い運動は、脳内の神経伝達物質(セロトニンやドーパミン)の働きを助け、気分を前向きにする作用があります。
難しい運動をする必要はありません。散歩やストレッチ、ラジオ体操など、無理のない範囲で体を動かしてみてください。
「動いた」という体験が、少しずつ自信につながっていきます。
誰かと会話してみる・笑ってみる
誰かと他愛のない会話をするだけでも、心が軽くなることがあります。特別な話題でなくても大丈夫。「今日、こんな空だったよ」といった一言からでも、つながりを感じることができます。
また、笑うことには自律神経を整える効果もあるといわれています。お気に入りの動画や漫画などで、少しでも笑顔になれる時間を作ってみましょう。
一旦立ち止まって休んでみる
頑張っている自分を「もっと頑張らなきゃ」と追い込むことは、逆効果になることもあります。そんなときは、一度立ち止まってしっかり休むことが大切です。
「やる気が出ない自分」も否定せずに、今の状態を認めてあげることで、少しずつエネルギーが戻ってくることがあります。
やる気が出ないのは病気が原因かも?
「どうしてこんなにやる気が出ないのだろう…」と、自分を責めてしまう方も少なくありません。しかし、やる気の低下には、心や体の不調が関係していることがあります。
ここでは、やる気が出ない状態につながりやすい代表的な病気についてご紹介します。
燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)
まじめで責任感の強い方に多く見られるのが、「燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)」です。
仕事や育児、介護などに全力で取り組んだ結果、ある日突然、何もやる気が出なくなってしまうことがあります。「以前は楽しめていた趣味に関心が持てない」「感情が動かない」「無気力な状態が続いている」などの症状がある場合は、心が限界に達しているサインかもしれません。
頑張り続けてきた人ほど、自分が疲れていることに気づかないこともあります。少しでも思い当たることがあれば、自分を責めずに、まずはしっかりと心と体を休める時間を取ることが大切です。
うつ病
気分の落ち込みとともに、やる気や興味がわかず、日常生活に支障をきたすことがあるのが「うつ病」です。
「朝起きられない」「仕事に行けない」「何も楽しく感じられない」などの状態が2週間以上続く場合は、心の不調が深刻になっている可能性があります。うつ病は、本人の努力や気合いだけで乗り越えられるものではありません。「ただの疲れかも」と思っているうちに悪化してしまうこともあるため、早めに医療機関に相談することが大切です。
治療やサポートを受けることで、少しずつ気分が回復し、毎日の暮らしを取り戻していける可能性があります。
適応障害
職場の異動や部署変更、人間関係のトラブル、引っ越しなど、生活環境が大きく変化したときに、それにうまく適応できず、強いストレス反応が出る状態を「適応障害」といいます。
やる気が出ないというだけでなく、不安感や焦り、イライラ、涙が止まらないといった心の症状や、頭痛・胃の不調など身体症状が現れることもあります。
自分では「頑張らないと」と思っていても、心と体が追いつかなくなっている状態です。
まずはストレスの原因から距離をとり、安心できる環境でしっかり休むことが回復への第一歩になります。必要であれば、医療機関でのサポートを受けることも大切です。
自律神経失調症
「なんとなく不調だけど、検査では異常がない」——そんなときに考えられるのが、自律神経失調症です。
自律神経は、呼吸・血圧・体温調整・消化などを自動でコントロールし、心身のバランスを保つ大切な役割を担っています。
ところが、ストレスや睡眠不足、不規則な生活、過労などが続くと、このバランスが崩れてしまい、さまざまな不調があらわれることがあります。
代表的な症状としては、やる気の低下、頭痛、めまい、息苦しさ、胃腸の不調、不眠などがあり、体だけでなく気分にも影響を及ぼします。
無理を続けることで悪化するケースもあるため、早めに生活を見直し、必要に応じて専門的なサポートを受けることが大切です。
認知症
高齢の方でやる気の低下が目立つ場合、初期の認知症の可能性も考えられます。
たとえば、これまで楽しんでいたことに興味を示さなくなる、身だしなみに無頓着になる、同じ話を何度も繰り返すといった行動が見られる場合は、単なる加齢ではなく、認知機能の低下が関係しているかもしれません。
こうした症状が重なっている場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、適切な評価を受けることが大切です。
認知症は早期発見・早期対応によって、進行をゆるやかにしたり、生活の質を保つ支援を受けたりすることができます。
家族や周囲が気づいたときこそ、サポートの始めどきです。
更年期障害
40代後半から50代にかけて、ホルモンバランスが大きく変化することで、やる気が出ない、気分が落ち込む、体がだるいといった症状があらわれることがあります。
これは「更年期障害」と呼ばれ、女性に多い印象がありますが、実は男性にも起こることがあります。
「なんとなく調子が悪い」「感情のコントロールがきかない」「疲れが抜けない」などの状態が続くとき、更年期の影響が隠れている可能性も考えられます。
ホルモンの変化は自然なものですが、その変化に心や体がついていけず、不調としてあらわれることがあります。
更年期障害による不調は、我慢せずに相談することで、治療やサポートによって改善が期待できます。
慢性疲労症候群(ME/CFS)
「十分に休んでいるのに、まったく疲れが取れない」「体が重く、日常生活もつらい」――そんな状態が長く続く場合は、慢性疲労症候群(ME/CFS)の可能性があります。
この病気の特徴は、原因がはっきりしない強い疲労感に加え、思考力や集中力の低下、睡眠障害、筋肉痛、頭痛など、複数の症状が同時にあらわれることです。
単なる疲れとは異なり、休んでも回復せず、日常生活に大きな支障が出るケースもあります。
「気のせいかも」と我慢していると、さらに悪化してしまうことも。
症状に心当たりがある場合は、早めに医療機関に相談しましょう。
無気力症候群(アパシー症候群)
周囲から見ると特に問題がなさそうに見えるのに、本人は「やる気が起きない」「何もしたくない」と感じている――そんな状態が「無気力症候群(アパシー症候群)」です。
とくに学生や若い社会人に多く見られ、自分でも理由がわからないまま苦しんでいるケースも少なくありません。
「甘えている」「気合が足りない」と誤解されやすいですが、本人にとっては非常につらく、やる気が湧かないこと自体が深刻な悩みになっています。
心のエネルギーが底をついているような状態でもあるため、無理に頑張ろうとせず、まずはひとりで抱え込まないことが大切です。
専門家に相談することで、回復の糸口が見つかることがあります。
やる気のなさや体調不良で休職を考えている方へ
毎日頑張りすぎていませんか?環境の変化や職場のストレスで心身が限界を感じているなら、無理をせず一度立ち止まることも大切です。無理を続けることで悪化し、長期の不調につながることもあります。
「心身ともに限界で、早急に休職したい…。」 「しっかり治して、また職場に戻りたい…。」
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メンタルケア Lino clinic(リノクリニック)福岡天神院のご案内
やる気が出ない状態には、生活習慣や環境のストレス、栄養の乱れ、睡眠不足など、さまざまな要因が関係しています。ちょっとした工夫や意識の切り替えで改善するケースもありますが、症状が長く続いたり、日常生活に支障が出ている場合は、心や体の不調が隠れている可能性もあります。
「気のせいかもしれない」と見過ごさずに、今感じているしんどさに向き合ってあげてください。
メンタルケア Lino clinic(リノクリニック)福岡天神院では、やる気が出ない・元気が出ないと感じている方へ、丁寧な問診と診療を行い、一人ひとりの状態に合わせた治療をご提案しています。
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やる気が出ない状態が続いてつらいときは、どうぞお気軽にご相談ください。