むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは?
夜になると 脚がむずむずする、じっとしていられない という症状にお悩みではありませんか? それは むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:RLS) かもしれません。この症状が続くと 睡眠の質が低下し、不眠症の原因 となることもあります。
本記事では、むずむず脚症候群の原因や症状、治療法について詳しく解説し、適切な対処法をお伝えします。
むずむず脚症候群とは?
むずむず脚症候群(RLS)は、 夜間や安静時に脚に不快な感覚が現れ、動かさずにはいられなくなる疾患 です。特に 40歳以上の女性 に多く見られ、症状が悪化すると 睡眠障害 につながることがあります。
主な特徴
- じっとしていると症状が悪化
- 動かすと軽減
- 夜になるとひどくなる
- 不眠や日中の眠気を引き起こす
むずむず脚症候群の主な症状
- むずむずする
- チクチクする
- 痛がゆい
- 虫が這うような感覚
- ズキズキする
症状が悪化しやすい状況
- 夜間や安静時
- 長時間の座位(映画鑑賞・飛行機・車移動など)
- ストレスや疲労が溜まっているとき
むずむず脚症候群の原因とリスク要因
ドーパミンの異常
むずむず脚症候群の原因の一つとして 脳内のドーパミン不足 が挙げられます。ドーパミンは運動機能や神経の調整に関与する神経伝達物質であり、その働きが低下すると、脚の異常な感覚や動かしたい衝動が生じると考えられています。このメカニズムは パーキンソン病と共通する部分 もあり、関連性が指摘されています。ただし、むずむず脚症候群はパーキンソン病とは異なる疾患であり、適切な治療や生活習慣の改善によって症状を軽減できる可能性があります。
鉄分不足
ドーパミンの生成には 鉄分が重要な役割 を果たしており、体内の鉄が不足すると、ドーパミンの合成や機能が低下し、むずむず脚症候群の症状が悪化する可能性があります。特に フェリチン(貯蔵鉄)の低下 は、症状の発症や悪化に関与していると考えられています。鉄不足は 貧血の有無に関わらず 起こることがあり、特に 妊娠中の女性や月経のある女性 に多く見られます。適切な食事や鉄剤補充により、症状の改善が期待できます。
遺伝的要因
家族歴がある場合、発症リスクが高まることが分かっています。
むずむず脚症候群に関連する疾患
腎不全
腎不全の患者は体内の鉄分やミネラルバランスが乱れやすく、ドーパミンの機能低下とともに、むずむず脚症候群のリスクが高まります。特に 透析患者 では発症率が高く、鉄不足や尿毒症の影響が症状の悪化につながると考えられています。
糖尿病
糖尿病による 末梢神経障害 は、むずむず脚症候群の発症リスクを高める要因となります。高血糖が長期間続くと神経の働きが低下し、脚の異常感覚や痛みが出やすくなります。血糖コントロールを適切に行うことが症状の予防につながります。
パーキンソン病
パーキンソン病とむずむず脚症候群は、どちらも ドーパミンの機能低下 に関係しています。パーキンソン病の患者の中には、むずむず脚症候群を合併する人もおり、ドーパミン作動薬の使用が共通する治療法の一つとして検討されることがあります。
妊娠(特に妊娠後期)
妊娠後期の女性は 鉄分不足やホルモンバランスの変化 により、むずむず脚症候群を発症しやすくなります。特に フェリチン値が低下 すると症状が悪化しやすく、出産後に自然に改善することが多いですが、重症化する場合は医師の診察が必要です。
むずむず脚症候群への生活習慣の影響
カフェイン・アルコール・喫煙の摂取
カフェインやアルコール、喫煙は ドーパミンの働きを阻害 し、むずむず脚症候群の症状を悪化させることがあります。特に 夜間のカフェイン摂取 は症状の悪化や不眠を招くため、就寝前の摂取は避けるのが望ましいです。
運動不足
適度な運動は血流を改善し、神経機能を整えるため、むずむず脚症候群の予防に有効です。ただし、過度な運動は逆に症状を悪化 させる可能性があるため、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を習慣化することが推奨されます。
慢性的なストレス
ストレスが蓄積すると 自律神経のバランスが乱れ、むずむず脚症候群の症状が強くなることがあります。ストレス管理を意識し、リラックスできる習慣(瞑想・ヨガ・入浴) を取り入れることで、症状の軽減につながる可能性があります。
むずむず脚症候群の診断基準
むずむず脚症候群は 問診 を中心に診断され、以下の基準に基づきます。
診断のポイント
- 脚に不快感があり、動かしたくなる
- 安静時に症状が現れる
- 動かすと症状が軽減
- 夜間に症状が悪化する
- 他の疾患では説明できない
むずむず脚症候群の治療法
薬物療法
ドーパミン作動薬(プラミペキソール、ロチゴチン)
ドーパミン作動薬は、脳内のドーパミンの働きを補う ことで症状を軽減します。特にプラミペキソールやロチゴチンは軽度〜中等度のむずむず脚症候群に効果的ですが、長期使用で症状が悪化する可能性もあります。
ガバペンチノイド(プレガバリン、ガバペンチン)
ガバペンチノイドは 神経の過敏性を抑える 働きがあり、むずむず脚症候群の症状を緩和します。特に 不眠症を伴うケース に有効とされ、副作用として眠気やめまいが現れることがあります。
鉄剤補充(鉄不足がある場合)
鉄不足が関与している場合、鉄剤の補充が推奨 されます。フェリチン値を上げることでドーパミン機能が改善し、症状の軽減が期待できます。吸収を高めるため、ビタミンCと一緒に摂取する ことが推奨されます。
生活習慣の改善
- カフェイン・アルコールを控える
- 適度な運動を取り入れる
- 睡眠環境を整える
- ストレスマネジメント
日常生活でできる対策
- ストレッチやヨガ
- 脚のマッサージ
- 温冷療法(温める・冷やす)
- 鉄分を多く含む食事を摂る
むずむず脚症候群と睡眠障害
むずむず脚症候群は 不眠症の原因 となり、日中の集中力低下やうつ症状を引き起こすことがあります。睡眠の質を向上させるためにも、早めの治療が大切です。
(出典:厚生労働省 レストレスレッグス症候群 / むずむず脚症候群(れすとれすれっぐすしょうこうぐん))
まとめ
むずむず脚症候群の症状の軽減には、生活習慣の見直しや薬物療法が有効です。鉄分やビタミンの摂取、運動習慣の改善も助けになります。専門的な治療を受けることで、症状をコントロールし、快適な生活を取り戻すことが可能です。
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