むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群) 2025/06/09

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは?

夜になると 脚がむずむずする、じっとしていられない という症状にお悩みではありませんか? それは むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:RLS) かもしれません。この症状が続くと 睡眠の質が低下し、不眠症の原因 となることもあります。

本記事では、むずむず脚症候群の原因や症状、治療法について詳しく解説し、適切な対処法をお伝えします。

むずむず脚症候群とは?

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:RLS)は、脚の内部に「むずむず」「ぞわぞわ」「かゆいような」「虫が這うような」不快感が生じ、じっとしていられなくなる病気です。
特に夕方から夜間、眠る前に症状が強くなることが多く、不眠の原因にもなることで知られています。

「脚を動かせば一時的に楽になる」という特徴があり、慢性的な睡眠障害や生活の質(QOL)を下げる要因にもなり得ます。

むずむず脚症候群の主な症状とは?

むずむず脚症候群(以下RLS)は、下肢を中心とした不快な感覚と、それにともなう「動かしたい」という強い衝動が特徴の神経疾患です。
特に夜間や安静時に強くなることが多く、睡眠障害の原因としても重要視されています。

以下に、RLSの主な症状を5つの観点から詳しくご紹介します。

1. 脚の内部に感じる“むずむず・そわそわ”とした不快感

この不快感は、皮膚表面ではなく“脚の内側”に感じることが多く、位置がうまく説明できないことも特徴です。
かゆみや痛みではなく、「どうしても動かしたくなる」「じっとしていられない」と表現されます。

2. じっとしていると悪化する

▶ RLSの症状は、「じっとしていると強くなる」「動いていると一時的に楽になる」というのが大きな特徴です。

3. 夕方から夜にかけて症状が強くなる

この“夕方以降に悪化しやすい”時間帯の変化は、診断の手がかりにもなります。
昼間よりも夜に強く出ることから、慢性的な入眠困難・中途覚醒・不眠症状を引き起こす原因になります。

4. 脚を動かすと症状が一時的に軽くなる

▶ この「動かすと一時的に楽になるが、再びぶり返す」というパターンが、RLSの最大の特徴といわれています。

5. 症状が悪化すると、日中の生活にも支障が出る

▶ 放置すると、生活の質(QOL)が大きく低下し、うつ症状や不安障害を併発することもあります。

(出典:厚生労働省 レストレスレッグス症候群 / むずむず脚症候群(れすとれすれっぐすしょうこうぐん)

むずむず脚症候群と間違えやすい病気とは?

「脚がムズムズする」「じっとしていられない」「眠れない」
このような症状は、むずむず脚症候群(RLS)特有のものに見えますが、実際には他の病気でも似たような症状が出ることがあります。

そのため、正しい診断のためには他の疾患との見極め=鑑別が重要になります。
以下に、RLSと特に間違われやすい5つの疾患を詳しく紹介します。

1. 【下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)】

血液のうっ滞によって、脚に“だるさ”や“重さ”を感じる病気

▸ 主な特徴:

▸ RLSとの違い:

2. 【末梢神経障害(特に糖尿病性神経障害)】

手足の神経が傷んで“しびれ・ピリピリ感”などを生じる病気

▸ 主な特徴:

▸ RLSとの違い:

3. 【坐骨神経痛】

腰から脚にかけて伸びる坐骨神経が圧迫されて起きる痛み

▸ 主な特徴:

▸ RLSとの違い:

4. 【夜間周期性四肢運動障害(PLMD)】

寝ている間に、本人の意思と関係なく脚がピクッと動く睡眠障害

▸ 主な特徴:

▸ RLSとの違い:

5. 【皮膚疾患(湿疹・皮膚炎・乾燥肌など)】

皮膚そのものの異常が原因で“かゆみ”や“違和感”が出る病気

▸ 主な特徴:

▸ RLSとの違い:

“脚がむずむずする”だけでは、RLSとは限らない

むずむず脚症候群は、「脚の内部に感じる不快感」「動かしたい衝動」「夜間・安静時に悪化する」という3つの特徴をもとに判断されます。
しかし、似たような症状を引き起こす病気は少なくなく、自己判断で「きっとRLSだ」と思い込むのは非常に危険です。

違和感が続く・睡眠が妨げられている・日常生活に支障が出ているという場合は、迷わず神経内科や睡眠外来、心療内科などで専門医の診断を受けましょう。

むずむず脚症候群の診断基準とは?

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:RLS)は、自覚症状が中心となる神経系の疾患であり、血液検査や画像検査では直接診断できないのが特徴です。
そのため、正しい診断には患者の訴えと、国際的な診断基準に照らし合わせた問診が重要となります。

むずむず脚症候群は、以下の5つの基準すべてを満たす場合に診断されます:。

1. 脚を動かしたいという強い欲求がある(しばしば不快感を伴う)

2. 安静にしていると症状が出る、または悪化する

3. 脚を動かすことで症状が一時的に軽くなる

4. 夕方から夜間にかけて症状が悪化する傾向がある

5. 他の疾患では説明できない

診断を補助するポイント

診断基準に加えて、以下のような追加情報も診断の補助材料として医師が重視します:

RLSは症状だけを聞くと曖昧に思えますが、上記の5つの基準をしっかり満たしているかどうかを確認することが診断のカギです。
「むずむずして眠れない」「脚を動かしたくて仕方ない」などの症状がある場合、
神経内科・睡眠外来・心療内科などの専門医を受診し、正確な評価を受けることが重要です。

むずむず脚症候群の原因

むずむず脚症候群(RLS)は、睡眠前や安静時に脚の内部に不快感が生じ、動かさずにはいられなくなる病気です。
「なんとなくムズムズする」「疲れやストレスのせいかも」と誤解されやすいですが、れっきとした神経疾患です。

では、この症状はなぜ起こるのでしょうか?
RLSの原因には、脳の働き・鉄代謝・遺伝・生活習慣・薬剤の影響など、複数の要因が関与しています。

 1. ドーパミンの機能異常(脳の信号伝達の乱れ)

RLSの発症には、脳内のドーパミン系の異常が深く関わっていると考えられています。

特に、日中よりも夜間にドーパミンの働きが弱くなるというリズムがあり、これが夜間に症状が悪化する一因とされています。

2. 脳内鉄の欠乏(鉄不足)

鉄分は、ドーパミンを合成・機能させるために欠かせない栄養素です。
RLSの患者は、血液中の鉄は正常でも、“脳内の鉄が不足している”ことが多いという研究結果があります。

▶そのため、軽度〜中等度の症状では鉄剤の補給が治療として有効なこともあります。

3. 遺伝的要因

むずむず脚症候群は、遺伝の関与が強い病気であり、以下の特徴があります:

▶「親も脚をもぞもぞ動かしていた」というケースは、遺伝的な背景を疑うヒントになります。

4. 二次性RLS(他の疾患に合併して起こる)

むずむず脚症候群には、原因が明確な「二次性タイプ」も存在します。

合併しやすい病気・状態 内容
鉄欠乏性貧血 鉄の吸収不良・過少摂取などでフェリチン低下
慢性腎臓病(透析中) 血液中の老廃物やホルモンバランスの乱れによる
妊娠(特に第3期) ホルモン変化+鉄の需要増加が影響
末梢神経障害 糖尿病性神経障害などで脚の神経が過敏になる

▶二次性RLSでは、原因疾患の治療と併行してRLSの症状を管理する必要があります。

5. 薬の副作用や生活習慣の影響

以下の薬剤や生活習慣も、RLSの発症・悪化因子とされています。

◉ 薬剤の影響

◉ カフェイン・アルコール・喫煙

むずむず脚症候群かも?と思ったらどうすればいい?

▶ まずは「症状のパターン」を確認しましょう

むずむず脚症候群(RLS)は、以下のような特徴的な症状があります。まずはセルフチェックをしてみましょう:

□ 夕方〜夜にかけて、脚がムズムズ・そわそわする

□ 横になったり座っていると不快感が出て、動かさずにいられない

□ 脚を動かすと一時的に楽になるが、また戻ってくる

□ 症状が週に数回以上、3か月以上続いている

□ 睡眠の質が低下し、日中に強い眠気がある

これらのチェック項目に複数当てはまる場合、むずむず脚症候群の可能性が高いと言えます。

▶ 病院に行くなら、何科を受診すればいい?

むずむず脚症候群は神経の病気なので、次のいずれかの診療科で対応が可能です:

診療科 対応内容
神経内科 RLSの診断と薬物治療を行う中心的な診療科。
心療内科・精神科 睡眠障害・不安症状・不眠との関係を診る。
睡眠外来 専門的な検査(終夜睡眠ポリグラフ)なども実施可能。
内科(かかりつけ医) まず相談し、必要に応じて専門科へ紹介してもらうのも◎

「夜眠れない」「脚を動かさないと落ち着かない」などの症状がある場合は、遠慮せず早めに相談を。

▶ 医師に伝えるべきポイント

診察時に、以下の情報を具体的に伝えると、診断がスムーズです:

▶ 特に「脚を動かすと楽になるが、止めるとまた戻る」という特徴は、診断上とても重要です。

▶ 受診前にできる対処・生活での工夫

軽症であれば、生活改善で症状がやわらぐこともあります。以下のポイントを試してみましょう:

鉄分を意識的に摂取する

カフェイン・アルコール・喫煙を控える

脚を温める or 冷やす(体質に合わせて)

ストレッチ・マッサージ・軽い運動

就寝前の刺激を避ける

▶ いつ受診するべき?

以下のような状態になっていたら、生活習慣の改善だけでは対処が難しく、医療のサポートが必要な段階です:

▶ こうした場合は、「我慢せず、まず相談する」ことが早期改善への近道です。

専門医へ相談してみましょう

むずむず脚症候群は、放置すると慢性の不眠・倦怠感・うつ症状へつながることもある病気です。
しかし、原因を見極め、適切な治療を受ければ多くの人が改善を実感できます。

「なんとなくムズムズして眠れない」
そんな症状が続いている方は、気のせいや加齢のせいにせず、一度医師に相談してみてください。

むずむず脚症候群の治し方

むずむず脚症候群(RLS)は、「眠れないほど脚がムズムズしてつらい」という不快な症状を引き起こす神経疾患です。
原因が明確な場合もあれば、体質や脳内物質のバランスによって起こることもあります。

この章では、病院での治療法と、自分でできるセルフケアの両面から「むずむず脚の改善方法」を解説します。

1. 病院で治す方法(医学的治療)

▶ 薬物療法(中〜重症に対して)

むずむず脚症候群の診断がついた場合、以下のような薬を医師の判断で処方されます。

薬の種類 特徴・役割
ドーパミン作動薬(プラミペキソールなど) 脳の運動調整に関わるドーパミンの働きを補い、脚の衝動を和らげる。第一選択薬。
抗てんかん薬(ガバペンチン、プレガバリン) 感覚神経の過敏さを抑える。不眠や痛みにも有効。
鉄剤(経口または静注) 血清フェリチン値が50ng/mL未満なら投与対象に。
ベンゾジアゼピン系薬剤(クロナゼパムなど) 即効性があるが依存性があるため慎重に使用。短期対応に使われることが多い。

※注意点:

▶ 原因疾患がある場合はその治療を優先

RLSの中には、鉄欠乏性貧血・妊娠・慢性腎不全・神経疾患などに伴って起こる「二次性RLS」があります。
この場合、原因となる病気の治療が先決です。

2. 自分でできる治し方・対処法(軽度〜予防目的)

▶ 食事・栄養面でできること

□ 鉄分を積極的にとる

□ マグネシウム・葉酸も意識

▶ サプリメントを使う場合は事前に医師へ相談を

▶ 睡眠前後の生活習慣の見直し

工夫 内容
カフェイン・アルコール・喫煙を控える 特に就寝前3〜4時間は避ける
スクリーン時間を減らす スマホやPCの光が神経を刺激し、症状を悪化させる可能性あり
毎日同じ時間に寝起きする 睡眠のリズムを整え、自律神経を安定させる

▶ ストレッチ・運動・リラクゼーション

▶ 激しすぎる運動や長時間の立ちっぱなしは逆効果になる場合もあるので注意

▶ それでもつらいときの一時的な対処法

むずむず脚症候群は「治せる症状」

むずむず脚症候群は、「ただの疲れ」や「加齢」と見過ごされがちですが、神経の機能異常や鉄不足などが関係する立派な治療対象のある疾患です。

脚がむずむずして眠れない時はどうすればいい?

脚のむずむず感が強いときに「無理に寝よう」と頑張ると、かえって症状が悪化し、さらに眠れなくなる悪循環に陥ることがあります。

1. いったん布団から出て、脚を少し動かす

脚を動かしたくてたまらない衝動が強いときは、無理に寝ようとせず、短時間だけ歩く・ストレッチするなど軽く体を動かすのが効果的です。

▶ 無理に寝ようとせず、「いったん動いてからもう一度寝床へ」がポイント。

2. 脚を温める/冷やす(自分に合う方法で)

▶ 自分の症状に合う温度刺激で、不快感の神経過敏を一時的に鎮める効果が期待できます。

3. 脚を意識的に“だらん”と脱力させる

筋肉の緊張もむずむず感を助長します。

4. 深呼吸・瞑想アプリ・音楽で気持ちを落ち着ける

神経の興奮を鎮めるには、副交感神経を優位にするリラックス法が効果的。

5. 刺激を避けて、再入眠の妨げを減らす

眠れないからといって、スマホを見たり明るい部屋にいるのはNG。

6. どうしても眠れない時は“軽い作業”をする

▶ 「眠らなきゃ」と焦るとさらに交感神経が高ぶるため、気持ちをゆるめる時間に切り替えることも大切です。

7. 翌日の昼間に短い昼寝やリラックスタイムを確保する

夜間に眠れなかった日は、15〜30分程度の仮眠や休息を取ることも推奨されます。
疲れを持ち越さないことで、夜のむずむず感が出にくくなることがあります。

一晩だけで終わらないなら、医師の診察を

こうした工夫で一時的に落ち着いても、週に数回以上「脚のむずむずで眠れない」状態が続く場合は、医療機関への相談が必要です。

まとめ

むずむず脚症候群の症状の軽減には、生活習慣の見直しや薬物療法が有効です。鉄分やビタミンの摂取、運動習慣の改善も助けになります。専門的な治療を受けることで、症状をコントロールし、快適な生活を取り戻すことが可能です。

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