自律神経失調症 2025/01/21

自律神経失調症とは?原因や症状、予防法を解説

自律神経失調症とは、自律神経系のバランスが乱れ、心身にさまざまな不調が現れる状態です。自律神経は、私たちの体の基本的な機能(呼吸、心拍、体温調節など)を無意識にコントロールする神経系で、交感神経(活動時に働く)と副交感神経(休息時に働く)によって成り立っています。このバランスが崩れると、全身に影響を及ぼします。

(出典:大正健康ナビ 自律神経失調症|症状・治し方・原因・対処法・予防法

 

自律神経とはそもそも何か

私たちの体には、無数の神経が張り巡らされています。神経は大きく「中枢神経」と「末梢神経」に分けられます。中枢神経は脳や脊髄に位置し、体全体の司令塔として機能する神経です。一方、末梢神経は、中枢神経から枝分かれして全身に広がっており、さらに「体性神経(運動神経、感覚神経)」と「自律神経」に分けられます。

体性神経は自分の意思で筋肉を動かしたり感覚を感じ取ったりするのに関係する神経で、自律神経は呼吸や血圧、消化、体温調節など、生命維持に関わる働きを無意識にコントロールする神経です。自律神経にはさらに「交感神経」と「副交感神経」があり、これらがバランスよく働くことで、心身の状態が健やかに保たれています。

 

自律神経の主な働き

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つの系統があり、相反する役割を担っています。

交感神経の役割は、日中の活動時や緊張状態に活発に働き、心拍数や血圧を上げたり、胃腸の働きを抑えたりして体を活動状態にすることです。一方、副交感神経は、休息や睡眠時に優位となり、心拍数を下げ、消化を促進し、リラックスした状態にすることです。このようにまったく異なる働きを持つ2つの神経が状況に応じて切り替わることで、私たちの体調は一定に保たれています。

しかし、過度なストレスや生活習慣の乱れ、環境変化などによりこのバランスが崩れると、動悸、めまい、頭痛、倦怠感、イライラなど、さまざまな不調が現れます。この状態が「自律神経失調症」です。

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自律神経失調症の主な症状

自律神経失調症の症状は多岐にわたり、以下のような心身の不調が見られます。

1.身体的な症状

身体的な主な症状は、頭痛、めまい、発汗、微熱、耳鳴り、動悸、息切れ、手足の冷え、しびれなどです。他にも、胃の不快感、腹痛、下痢や便秘などの消化器症状、慢性的な倦怠感、肩こりや背中の痛みなどがあります。また、喉の違和感や頻尿、生理不順、息切れ、息苦しさなども見られます。

 

2.精神的な症状

精神的な主な症状は、イライラや落ち込み、気分の浮き沈み、不安感、緊張しやすくなるなどです。また、集中力や思考力の低下、不眠や中途覚醒、朝起きられないなどの睡眠障害も特徴的です。仕事や家事に集中できなくなったり、他人のちょっとした発言に過敏になったりするなど、精神面が不安定になります。

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自律神経失調症になりやすい人

自律神経失調症は、誰でも発症する可能性がありますが、体質や性格などによってリスクが高まりやすい傾向があります。

体質

自律神経失調症になりやすい人は、体質や生活習慣に以下のような特徴があります。

性格

自律神経失調症になりやすい人の性格には、以下のような特徴があります。

これらの特性により、ストレスを溜め込みやすく、自律神経のバランスが崩れやすくなります。また、思春期や更年期、病気や体調不良のときなど、ホルモンバランスが変化する時期もリスクが高まります。

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自律神経失調症の原因

自律神経失調症の原因として、以下のような要因が挙げられます。

ストレス

過剰な仕事や人間関係の悩みなど、慢性的なストレスは自律神経のバランスを崩す主な原因です。ストレスが続くと交感神経が過剰に働き、不眠や動悸、めまいなどの症状が現れやすくなります。

生活習慣の乱れ

睡眠不足や不規則な食生活、運動不足は、自律神経の働きに影響を与え、体調不良やストレスの増加を引き起こす原因です。特に偏った食事や夜更かしが続くと、ホルモンバランスが乱れ、疲れやすさや気分の不安定さにつながることがあります。

環境要因

季節の変わり目や気温の変化、騒音や強い光などの環境要因も自律神経に影響を与え、体調不良を引き起こすことがあります。特に気温差が激しい時期は、体が適応しにくく、疲れやすさやめまい、頭痛などの症状が現れやすいです。

性格的な傾向

完璧主義や周囲への過剰な気配りをする性格の人は、常に緊張状態が続きやすく、自律神経のバランスが乱れやすいとされています。ストレスをため込みやすく、不眠や頭痛、疲労感などの症状が出やすくなる傾向があります。

 

自律神経失調症の4タイプ

自律神経失調症には、体質や精神状態、ストレスへの反応などによって異なる4つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解することで、より適切に対処するための参考になるでしょう。

本態性型自律神経失調症

生まれつき自律神経の働きが乱れやすい体質が原因とされるタイプです。遺伝的な要素が関係しており、子どもの頃から低血圧や虚弱体質で、体力があまりない、疲れやすいなどの不調を感じやすい傾向があります。精神的なストレスよりも、体質そのものに起因するのが特徴です。

神経症型自律神経失調症

精神的なストレスや不安が引き金となって、自律神経のバランスが乱れるタイプです。繊細で神経過敏な性格の人に多く見られ、心理的な影響が体に症状として現れやすいのが特徴で、自身の不調に非常に敏感な傾向があります。

心身症型自律神経失調症

日常のストレスが身体症状として現れるタイプです。几帳面で気持ちの切り替えが苦手で、ストレスを無理に抑制して溜め込む傾向にあり、自律神経失調症に多いタイプとされています。進行すると抑うつ型になり「気持ちが落ち込む」「やる気が起きない」といったうつ症状が見られます。

抑うつ型 自律神経失調症

ストレスの蓄積によって抑うつ状態が強くなり、心身症型からさらに進行したタイプです。疲労感や食欲不振などの身体症状に加え、意欲の喪失や感情の落ち込みなどうつ症状が目立ちます。単なるストレス性の不調とは異なるため、周囲への相談や、精神科を受診し適切な診断と治療が重要です。

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自律神経失調症の診断と治療

自律神経失調症の診断は、他の疾患を除外するための検査が行われた上で、患者さんの症状や生活習慣を詳しく聞き取りが行われます。

治療には以下のアプローチが含まれます。

1. 生活習慣の改善

2.ストレスマネジメント

3. 薬物療法

自律神経失調症の治療では、症状に応じて医師が抗不安薬や睡眠導入剤、抗うつ薬、自律神経調整薬などを処方することがあります。薬物療法は症状を和らげるために有効ですが、生活習慣の改善やストレス管理と併用することが大切です。

4. カウンセリング

自律神経失調症のカウンセリングでは、症状や生活背景を丁寧に聞き取り、過剰な緊張や不安、対人関係の悩みなどを理解し、心理的・社会的ストレスの影響を明らかにします。認知行動療法やマインドフルネスを用いて心身の緊張を緩和し、生活習慣の調整や心理教育を通じて自律神経の安定を目指します。

 

自律神経失調症の予防

自律神経の乱れを予防するためには、日々の生活習慣を整えることが重要です。無理なく続けられる工夫を取り入れながら、心と体のバランスを意識して過ごしてみましょう。

毎日30分程度の適度な運動を行う

ウォーキングや軽いジョギングなど、毎日30分程度の無理のない運動を継続することで、自律神経の働きが整いやすくなります。運動にはストレスの発散や睡眠の質を高める効果も期待できます。できない日があってもネガティブにならず、少しでも習慣化できるように継続を目標にすると良いでしょう。

ストレッチやマッサージで体をリラックスさせる

肩や首の緊張をほぐすようなストレッチや、優しいマッサージは、副交感神経の働きを高め、リラックスした状態にします。深呼吸と組み合わせて行うと、より効果的に心身を落ち着かせることができるので効果的です。

温かいお風呂にゆっくり浸かり、血行を促進する

38〜40度ほどの暖かいお風呂に15~30分程度浸かることで、体が温まり血行が促進されます。心身の緊張が和らぎ、睡眠の質の向上にもつながります。就寝前の入浴が特に効果的です。

趣味や好きなことに時間を使い、気分転換を心がける

仕事や家事に追われる毎日の中でも、趣味やリラックスできる時間を確保することが大切です。楽しいと感じる時間を持つことで、ストレスが和らぎ、自律神経のバランスも整いやすくなります。無理のない範囲で取り入れましょう。

自律神経失調症で休職を考えている方へ

毎日頑張りすぎていませんか?環境の変化や職場のストレスで心身が限界を感じているなら、無理をせず一度立ち止まることも大切です。自律神経失調症は、無理を続けることで悪化し、長期の不調につながることもあります。

「心身ともに限界で、早急に休職したい…。」
「自律神経失調症をしっかり治して、また職場に戻りたい…。」

そんな思いを抱えている方が、安心して治療に専念できるよう、メンタルケア Lino clinic(リノクリニック)福岡天神院では、休職や復職のために必要な診断書を、最短即日で発行できる体制を整えております。少しでも早く、心と体を休められるよう、お気軽にご相談ください。※症状や診断の内容によっては、当日に診断書を発行できない場合があります。適切な診断を行うために、詳細な問診や追加の評価が必要になることがあるためです。あらかじめご了承ください。

まとめ

自律神経失調症は、ストレスや生活習慣の乱れなどが原因で、心身にさまざまな症状を引き起こす疾患です。症状は人それぞれ異なり、慢性化すると日常生活に支障をきたすこともあります。しかし、適切な治療や生活習慣の改善を行うことで、症状の緩和や予防が可能です。早めに気付き、適切なサポートを受けることが大切です。

Lino clinic(リノクリニック)では、自律神経失調症の治療や心のケアに力を入れております。患者様一人ひとりのお悩みや生活状況に寄り添い、薬物療法を含めた総合的なサポートを提供しています。

当院は、赤坂駅や天神駅から徒歩圏内の便利な立地に加え、土日祝日も20時まで診療を行っており、お忙しい方でも通院しやすい環境を整えております。つらい症状を抱えている方や少しでも気になることがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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