過敏性腸症候群(IBS) 2025/02/09

過敏性腸症候群(IBS)とは?

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome、以下IBS)は、腸に炎症や異常がないにもかかわらず、慢性的な腹痛や下痢、便秘などの症状が現れる疾患です。消化器系の機能的な問題が原因とされており、日本でも多くの人がこの症状に悩まされています。

過敏性腸症候群(IBS)は、日常生活に大きな支障をきたすことがあるため、適切な治療や生活習慣の見直しが必要です。本記事では、過敏性腸症候群(IBS)の原因や症状、診断方法、治療法について詳しく解説します。

過敏性腸症候群(IBS)の主な症状

過敏性腸症候群(IBS)の症状は人によって異なりますが、主に以下のような特徴があります。

腹痛や腹部の不快感

過敏性腸症候群(IBS)の代表的な症状の一つが腹痛や腹部の不快感です。これらの症状は排便後に軽減されることが多いものの、一時的な改善にとどまり、再発を繰り返すことが特徴です。特に、食事やストレスなどの影響を受けやすく、状況によって症状の強さが変動することがあります。

また、腹痛とともに下痢や便秘が起こるケースも多く、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

便通の異常

過敏性腸症候群(IBS)では、以下のような便通異常が見られます。

おならや膨満感

過敏性腸症候群(IBS)の人は腸内ガスが溜まりやすく、お腹の張り(膨満感)を強く感じることが多いです。特に、ガスが腸内に滞留すると不快感が増し、痛みを伴うこともあります。また、腸の動きが過敏になることで、頻繁におならが出ることが特徴です。ガスの排出がうまくいかないと、さらに膨満感が悪化し、日常生活に支障をきたすこともあります。

排便後も残便感がある

過敏性腸症候群(IBS)の症状の一つに、排便後も「スッキリしない」「まだ便が残っている感じがする」といった残便感があります。これは、腸の運動異常や神経の過敏性によるもので、実際に便が残っていない場合でも違和感を覚えることが特徴です。特に、便秘型の過敏性腸症候群(IBS)ではこの症状が顕著で、排便の回数が増えても解消されにくいことがあります。

(出典:厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome:IBS)と補完療法について知っておくべき7つのこと」

過敏性腸症候群(IBS)の原因

過敏性腸症候群(IBS)の明確な原因は解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。

ストレスや精神的要因

過敏性腸症候群(IBS)はストレスと密接に関連しており、強い精神的ストレスが発症や症状の悪化に影響を及ぼすとされています。ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、腸の蠕動運動が過剰になったり低下したりし、下痢や便秘を引き起こしやすくなります。また、ストレスが長期間続くと腸の過敏性が増し、腹痛や膨満感などの症状が悪化することもあります。

腸の過敏性

過敏性腸症候群(IBS)の患者は、腸の神経が過敏になっていると考えられています。そのため、通常であれば問題にならない食事や環境の変化にも過剰に反応し、腹痛や下痢、便秘などの症状が引き起こされることがあります。特に、冷たい飲み物や脂っこい食事、香辛料の多い料理などが腸を刺激しやすく、症状を悪化させることがあります。また、些細なストレスや気候の変化なども影響を与えるため、日常生活の管理が症状緩和に重要なポイントとなります。

腸内細菌の異常

腸内細菌のバランスが崩れることは、過敏性腸症候群(IBS)の原因の一つとされています。特に、腸内の悪玉菌が増えると腸の動きが乱れ、下痢や便秘を引き起こしやすくなります。腸内細菌は消化や免疫機能にも関与しており、バランスが崩れることで腸の過敏性が増し、腹痛や膨満感などの症状が悪化することもあります。食物繊維や発酵食品を積極的に摂取し、腸内環境を整えることがIBSの症状緩和に役立つと考えられています。

食生活

脂肪分の多い食事やカフェイン、アルコール、刺激の強い食品は、過敏性腸症候群(IBS)の症状を悪化させることがあります。これらの食品は腸を刺激しやすく、腸の蠕動運動を過剰に活発にしたり抑制したりすることで、下痢や便秘を引き起こす原因となります。特に、辛い食べ物や炭酸飲料などは腸内ガスを増やし、膨満感や腹痛を悪化させることがあります。食生活の見直しを行い、自分に合った食事を見つけることが、IBSの症状管理に重要です。

過敏性腸症候群(IBS)の診断方法

過敏性腸症候群(IBS)の診断には、以下の方法が用いられます。

問診

症状の種類や持続期間、ストレスの有無などを医師が詳しく聞き取ります。

ローマ基準

過敏性腸症候群(IBS)の診断には「ローマ基準」が使われます。具体的には、以下の条件を満たす場合にIBSと診断されます。

除外診断

IBS(過敏性腸症候群)は、腸に器質的な異常が見られない機能性疾患です。そのため、診断には大腸内視鏡検査や血液検査を行い、炎症性腸疾患や大腸がんなどの他の疾患を除外することが重要です。特に、血便や体重減少などの警戒すべき症状がある場合は、慎重な検査が必要となります。診断後は、生活習慣の改善やストレス管理、薬物療法などを組み合わせて症状のコントロールを目指します。

過敏性腸症候群(IBS)の治療法

過敏性腸症候群(IBS)の治療は、症状を和らげることを目的としています。

生活習慣の改善

薬物療法

心理療法

認知行動療法や自律神経調整療法が、過敏性腸症候群(IBS)の治療に効果があるとされています。

まとめ

過敏性腸症候群(IBS)は日常生活に大きな影響を及ぼす疾患ですが、適切な治療を受けることで症状を軽減できる可能性があります。症状が続く場合は、早めに専門医へ相談することが大切です。

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